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※この記事の掲載については、貝山先生、オーディオアクセサリー誌の了解を得ています。 |
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現在、クライオ処理を施したと言われる製品は数多いが、その全てが同じ処理を施しているとはいえないようだ。 好ましいクライオ処理に必要なのは、徹底した温度管理と、長時間の処理である。クライオオーディオテクノロジーの資料によると、スーパークライオ処理の説明として、「それぞれの部材に適した処理を行う為に、同一材料を大量に処理する」とあり、「処理時間と温度制御を徹底的に見詰め直し、温度の下げ角、上げ角の時間的タイミングや、トータル時間の大幅な延長及び見直しによって、物性的、音質的にほぼ完璧といえるクライオ処理が実現した」と書いてある。 これが物性を変える際に好ましく働くことは、感覚的に掴むことができると思う。ここまで分かれば、賭けてみるべきだ、というのが私の結論である。 工事を行った栗原電気商会の栗原さんと助手の方は順序立てて手際よく、作業を進行させていく。ケーブルの外被の剥き方、太い回線の壁での這わせ方、止め方、すべてが目新しく、感心しながら眺めていた。 他誌で読んだが、栗原さんは大のオーディオファイル。家ではウィルソン・オーディオの高級スピーカーを駆使する超マニアだ。感心したのは、電気配線のプロでありながら、オーディオ誌から得た知識を活用されていること。 評論家F氏が書いた、プラグとケーブルの圧着方法(片側にダミーの線材を噛ませて、止めネジの圧力のバランスをとる方法)を取り入れていた。その向上心の豊かさに心温められた。 専用回線に使用したのは、新製品のスーパークライオ電源ケーブル、SCVR-3.5である。これは、600Vビニル絶縁ビニルシースケーブルで、導体の公称断面積8mm2の3芯ケーブル。シースの外径は約16.5mmという極太のケーブルである。 4系統の専用回線の末端に取り付けるコンセントボックスは、チクマ製の高級コンセントボックスA7075を使用している。これは超々ジュラルミンと呼ばれる最強のアルミ合金製のボックスで、同社の製品中でも最も音質が優れたモデルである。これに取り付けているのは、クライオオーディオテクノロジーのスーパークライオコンセントSC-1256-200V(200V用)、SC1229JIS(100V用)である。各ボックスとも、2個のコンセントを取り付けている。 最初にかけたCD『アルジェのイタリア女』が鳴り出した瞬間、私の顔は綻んだ。なんという透明度の高さ、なんという力感…。このディスクはこの部屋で何度鳴らしたか分からないほど聴いているが、チェンバロもメゾソプラノやバリトンの歌唱も、実に新鮮に耳に響いた。この部屋でこれだけクリアなサウンドは聴いたことがなかった。 エネルギーバランスは、工事前よりやや高域側にシフトしている。これには慌てなかった。電源をいじった時によく起こる現象。それにあわせ、スピーカーのセッティングを修正すればいいし、数日もたてば、このままでも好ましいバランスとなるはずだ。 聴くべきは、音の鮮度の高さ、力強さ、切れ味など、基本的な音質傾向である。その素性よければ成功、素性が悪ければ失敗である。今回は明らかな成功、それも“大の字”が付くものだ。 工事から1週間が過ぎた今では、バランスの問題はすでに解決している。バランスは整い、分解能と力感が高い次元で融合しあっている。音の透明度は、日毎に高くなっていく。日毎の差はわずかだが、明らかに向上し続けている。毎日、朝の音出しが楽しみな日課になっている。“やった! 手を付けて良かった”。今では、電源の改善こそ、真先に行うべきものであると確信している。 |
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